民泊新法(住宅宿泊事業法)が成立、ホストファミリーへの影響は?

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 2017年6月9日(金)に、民泊新法こと「住宅宿泊事業法」が成立し、各報道機関が下記のように報じています。

民泊新法が成立=届け出制、全国で解禁

 住宅の空き部屋を旅行者らに有料で貸す「民泊」のルールを定める住宅宿泊事業法(民泊新法)が、9日の参院本会議で与党と民進党などの賛成多数で可決、成立した。

 民泊を届け出制として全国で本格的に解禁し、増加する訪日客の宿泊先を確保する。政府は2018年1月の施行を目指す。

(6/9(金) 時事通信より)

 

◆民泊新法の主なポイントは?

1.住居専用地域でも受け入れができるようになる

 これまで法律に触れずに民泊を行う場合には、「1.旅館業の取得」「2.特区民泊(国家戦略特別区域法に基づく旅館業法の特例)」「3.イベント民泊」のいずれかしかありませんでした。

 さらに、旅館業の取得は住居専用地域では認められておらず、特区民泊やイベント民泊においても非常に制限が多く、アパートや一軒家の建つ住宅街で民泊を行うことはほぼ不可能でした。

 しかし、今回民泊新法が施行されると、これまで旅館業の取得が難しかった住宅街での民泊も可能となります。

2.民泊新法において民泊を始めるには「届出」が必要

民泊新法において民泊を始めるには、まず行政(最寄りの保健所など)に「届出」を行う必要があります。届出ですから、ややこし手続きや審査などはありませんが、苦情管理を受け付けるなどの責任者を明確にしておく必要があるということです。

届出が済むと、「標識」を家に掲げ、「宿泊者名簿」を備え付けると、民泊を合法的に行うことができるようになります。

 

3.180日以下に制限

今回の民泊新法の最大の焦点であった「180日制限」は、法案の原文では、「人を宿泊させる日数として・・・一年間で百八十日を超えないもの」となっており、年間営業日数の上限は180泊としています。

さらに、生活環境の悪化が懸念される地域では都道府県や政令市などが条例により短縮できるように決定しています。

 

4.違反者に対する罰則

 今回の法案では、違反者に罰則も設けられています。物件の所有者が虚偽の届け出をしたり、営業停止命令などに従わなかったりした場合、6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金を科さられることになりました。

 

 

◆「家主非居住型」と「家主居住型」のそれぞれに規定

 民泊には、大きく分けて「家主非居住型」と「家主居住型」の2種類があります。

 誰も住んでいないアパートの1室やマンションの1室、空き家などをまるまる貸し出すのが「家主非居住型」です。ニュースや新聞でトラブルや問題として取り上げらているほとんどの場合が、この「家主非居住型」です。一方で、自分が住んでいる家の1室を貸すのが「家主居住型」で、「ホームステイ型民泊」などと言ったりもします。

 今回の民泊新法では、「家主非居住型」と「家主居住型」のそれぞれに規定が設けられています。

 大きく異る点としては、「家主非居住型」の場合、必ず「住宅宿泊管理業者」に管理を委託しなければならなくなります。さらに、住宅宿泊管理業者は、国土交通大臣の登録を受けた業者でなければなりません(第二十二条)。

 つまり、誰も住んでいないアパートの1室やマンションの1室、空き家などを貸し出す場合は、きちんと国から登録を受けた業者に管理を任せ、家主の代わりに、責任を持って管理および対応しなさい、ということです。ここが大きなポイントです。

 

◆民泊新法の成立によって、よりやりやすくなる「ホームステイ型民泊」

 当協会で推進しているのは、「家主居住型(ホームステイ型)」になります。

 本来「ホームステイ型民泊」と「従来からあるホームステイ受け入れ(ホストファミリー)」に違いはなく、旅館業法の規定を受けず、もともと法律には触れないと、当協会では考えてきました。ホテルや旅館の代わりとして一部屋を貸すのではなく、あくまでもホームステイとして受け入れをしているからです。

 その根拠として、旅館業では、「生活の拠点」として滞在する場合は、たとえ報酬が発生しても、旅館業に当たらないと規定されています。一方で、受け入れ手段の規定(例えばAirbnbは不可のような)までは明確に規定されていません。

 そのため、たとえAirbnbのような民泊サイトからの受け入れであっても、生活の拠点となる場合は、旅館業には当たらないと解釈できます。ホームステイをするということは、まさに生活の拠点です。

 Airbnbのような民泊サイトを利用される外国人には、たしかに旅行者もいますが、「ホストファミリーを自分で探したい」という留学生や、「日本に丁稚奉公に来た」というインターシップの社会人や、「日本で働きにきた」という外国人も多く利用します。

 つまり、Airbnbのような民泊サイトを通して滞在しにくる外国人であっても、旅行者とは限らないわけです。大学や日本語学校から留学しにくる外国人と同じように、ホームステイのように滞在することは良くあることなのです。そのような目的の外国人を、ホームステイとして受け入れするのです。

 そのため、当協会では、「ホームステイ型民泊」と「従来からあるホームステイ受け入れ(ホストファミリー)」には違いはなく、今問題となっている民泊とは大きく違うものだと考えているのです。当協会では、この「ホームステイ型民泊」と「従来からあるホームステイ受け入れ」を融合し、新しいホストファミリーの姿を形作ってきました。

 しかし、ホームステイであっても、その違いを良く理解せず、ニュースや報道のインパクトに引きづられ、外国人が滞在するだけで「民泊」と誤解を受けることも多くありました。

 そのため、今回の民泊新法の成立は、ある意味、正々堂々と「ホームステイの受け入れをできるようになる」と当協会では考えております。

 

◆民泊新法の懸念事項

当協会としても、成立を歓迎している民泊新法ですが、いくつか懸念すべき点があります。

1.どこからが「従来からあるホームステイ」で、どこからが「民泊」となるのかの線引が不明確です。そのため、180日制限の中では、どのようにカウントされるのかが分からないということです。

2. 滞在日数のカウントは、どこがどのように行うかが明確になっていません。当協会では、Airbnbだけでなく、さまざまな民泊サイトや、日本語学校や大学、斡旋会社からの受け入れ方法も教えています。どのように滞在日数をカウントされるのかが分からないのです。

3.滞在日数のカウントを、誰がチェックするかが明確になっていません。そのため、日数を誤魔化したりすることを防ぐにはどうするのでしょうか。

 

◆所感

 民泊新法については細かくは気になる点があるものの、2020年の東京オリンピックに向けて、今後「自宅の1室で外国人ホームステイを受け入れてみたい!」という人が増えていくのではないかと考えています。

 最初は不安だったけど、やってみたら意外と手間はかからないし、英語の勉強になるし、日本にいながら国際交流はできるし、社会貢献にもなって、お金までもらえてしまうとなれば、始めてみようかという人も増えていくのではないかと予想できるからです。

 ただし、これが一過性のブームで終わってしまったり、トラブルが増えてしまうようなことは、絶対に避けなければいけないと考えております。

 ホストファミリーは、日本のファンを世界中に広げることもできますが、逆に日本の悪いイメージを世界中に広げてしまうことにもつながりかねません。それは本当に残念なことです。

 当協会では、民泊新法の成立をきっかけに、単純にホストを増やすということではなく、民泊やホストファミリーの知識を正しく伝え、近隣の迷惑や外国人とのトラブルを防ぎ、スクールで学んだ人には認定証を付与しながら、日本に住む人・外国から来る人、双方から安心さられる仕組みを作っていきたいなと考えております。

 そして、世界中に日本の良さを伝えていこうと考える人が増えていくことを願っています。

世界への架け橋を、あなたの家庭から!

 

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